Columns

問題だけを見ることをやめる。
肩こり腰痛に、ひもトレ&バランスボード。

2021.5.10 / バランスコラム

例えば、足腰に痛みがある場合、足腰が弱いからもっと足腰の筋力を鍛えましょう、という話になりがちです。でも実は、足腰が痛いからといって足腰だけで解決できることというのは案外少ないのです。

肩が痛いと、人はなんとかしたくて、無理に肩を回したりしがちです。わざわざ痛いことをしています。本来、痛くならない動きをしておけば、カラダは修復されよくなるはずなのに、自ら痛くすることを繰り返している。そうした無自覚のクセが肩こりや腰や膝などの慢性痛という現象に現れるようです。

痛みがあるなら、痛くないところで気持ちよく動かすようにした方がいいのです。そうするとだんだん良くなることが多い。これは、問題にフォーカスするのではなく、もう少し全体的な機能的なバランスというところに注目することによって見えてくる価値観なんです。

たとえどんなに小さいものであっても、問題にフォーカスすることによって、全身がそこに合わせはじめます。それを理解していないと、偏ったバランスを定着させてしまい、やがて問題が消失した後になっても偏ったクセが抜けず、また新たな問題をつくりだすということが起こきてしまうのです。

私たちは、どうしても問題のある「足腰」や「肩」にフォーカスしてしまいがちです。問題が起きているところにだけ注目しすぎてしまう…。もちろん、それで解決することもありますが、問題というのはその問題が中心になっているかぎり解決されにくいものでもある、というのも事実です。

「ひもトレ」をカラダに巻いてみたり、「ココロのボード」に乗ってみたりすると、「あれ、痛くないですね」と言う人は多いです。それは、ひもを巻くことや不安定なバランスボードに乗ることによって、カラダの偏りが外れてニュートラルな状態になるきっかけを与えられるからなんです。

ひもトレやバランスボードをきっかけとして偏ったクセが外れると、その場ですぐ痛みがなくなってしまうのは珍しいことではありません。「手術しなきゃいけない」と言っていたのに、痛みそのものがなくなってしまったりする。そういう例は案外多いのです。

痛みがゼロになる人もいますし、痛みが小さくなったりやわらいだりする人もいます。「痛みが消えた」というよりも、「等身大のカラダに戻った」というのが正しい表現なのかもしれません。等身大のカラダになら、必要なアプローチができます。

そもそも全身のバランスは、部分の問題とどう関係するのでしょう。例えば肩。試しに、前傾して立つと肩は回りにくくなり、真っ直ぐ立つとよく回り、後傾して立つと回りにくく、左右どちらかに重心をかけても回りにくくなります。全身のバランスが悪い影響が、肩に不具合として現れるのです。

つまり、肩が動きにくいとか痛いとか凝りやすいというのは、姿勢やバランスが崩れた状態の結果であることが多いのです。ならば、そのズレたバランスをパッと修正してあげられればいい。ニュートラルな、いちばんラクなポジションに立つ。そうするとカラダはとてもよく動きます。

歳を重ねると、だんだん足が上がらなくなります。というか、足を上げているつもりなのに、引っかかってしまうということがあります。その大きな原因となっているのは、カラダの重心が前とか後ろに倒れていると足は上がらないようにできているから、だったりします。

気持ちばかり先行するとどうしても重心が前に倒れたり、慎重すぎると重心が後ろに傾いてしまったりします。そうするとますます足は上がりにくくなります。では、それを指摘されれば自分で改善できるかというと、今度は意識が強く働きすぎてまたバランスを崩す、ということになりがちです。

「ひもトレ」はお腹に一本巻くだけで重心がパッと整います。膝が急に上がりやすくなったり、肩が回りやすくなったりします。ラクに肩が動いたな、こういう感じで動けばいいんだな、という基準や指標ができることで、偏ったクセに気づきやすくなったり、外しやすくなるのです。

つづく

LET'S TRY !
BALANCE TRAINNING !

[ モバイルプロボード ]

コンパクトだから合宿や遠征先でも大活躍の「モバイルプロ」。支柱をセットした静的環境か、ロールバーをセットした動的環境を選ぶかは自分次第。易しいものから高度なものまで、難易度の幅が広いのも特徴です。

モバイルプロボード

Products