筋力も敏捷性も姿勢も柔軟性も、
カラダもメンタルも。すべてを整える。
2021.5.3 / バランスコラム
バランスボードに乗ってみましょう。そうすると、バランスがとれ、保たれている状態になる。バランスボードに乗れている状態というのが、そのまま自分にとってのひとつの指標になります。
バランスボードに乗っているときのカラダは、筋力も使っているし、機能的な姿勢にもなっているし、柔軟性も発揮しています。効率的にカラダを使えている理想的な状態になっています。それは、燃費良く動けている状態とも言えますから、持久力にも繋がってきます。
筋力、姿勢、柔軟性、持久力をトータルに発揮するカラダになります。また、運動というのは最終的には感覚的に動くしかないものですが、バランスボードに乗ることはその感覚を養うことにも役立ちます。まさに、カラダの複合的なトレーニング、トータルトレーニングなのだと言えるでしょう。
バランスボードはメンタルにも関わります。心を落ち着かせないとボードに乗ることができません。ですから、バランスボードに乗ることは、結果として、カラダをコントロールできるようになるだけでなく、同時に心の修練にもなります。禅の修行やマインドフルネスに似たものかもしれません。
ボードに乗ると「気持ちが落ち着く」「楽になった」と言う方は多いです。実際、カウンセリングの現場にバランスボードが採用されているのも、乗ると感情がおさまったり、怒ったりすることがなくなるという効果があるから。心のケアの専門家からも重宝がられています。
ただし、ボードにうまく乗ること、それ自体を目的にすることのないようにしましょう。大切なことは、ボードを通じて、機能的なカラダを獲得するということです。そうすると、その結果として、ボードでのバランスがうまく保たれることになるのです。
例えば、歩くときに「正しく歩く」ということを強く意識してしまうと、かえって不自然になってしまいます。そうではなく、私たちは、必然的な目的や方向性があるだけで、とても自然に歩くことができています。意識せずとも、結果的にできている。これが大切なのです。
バランスボードやひもトレによるトータル・トレーニングのトータル性とは、つまり、柔軟性や敏捷性や筋力や持久力などのすべてを複合的にトレーニングできるという意味でもあるし、カラダだけでなく心のバランスにも同時に作用しているという意味でもあります。
バランスボードやひもトレを手掛かりにして、カラダも、心も、感覚的にも、全体的に調和している状態が体感できます。感覚的にはものすごくラクで自然な状態です。だから、筋トレや負荷をかけるトレーニングのような「やっている感じ」「ここ使ってる!」という感じがないんです。
カラダ全身をうまく使っている状態だから「やった感」も「がんばった感」もない。むしろラク。この状態、この感覚でいいのだと知ることが大切なことです。バランスボードやひもトレは、感覚と機能性のどちらをも同時に体感できます。その経験が自分のなかのひとつの基準になっていきます。
筋トレのような負荷をかけるトレーニングには「やってるなあ!」という自己満足に近い実感が湧きます。それは目先の満足を与えてくれますし、悪いものではないかもしれませんが、実際に競技のパフォーマンスに役立っているかというと、あまり繋がっていないことも多いのです。
運動感覚をいちばん養えるのは子どもの頃です。遊びながらいろんな動きをするうちに養われていくものです。筋肉がどうなんて考えることもなく、ただ鬼ごっこしながら、タッチされないように動くとか、相手をうまく引きつけておいて避けるとか、そういうことだけ考えて動いています。
遊びというのは予測できないし、瞬間ごとに生じる変化に常に順応する必要があります。その意味では、子どもが遊びのなかで養うのは運動感覚だけでなく、クリエイティビティにも繋がりますし、考える力にも繋がるでしょう。
子どものときは考えもしなかった「筋力をつける」「体力をつける」トレーニングを、私たちは大人になるとやっています。それは慎重になり過ぎて、「正しくやろう」と意識する結果なのかもしれません。けれどもそれは自分で感じる、考えることを放棄することにも繋がりかねません。
改めて、そのトレーニングが自分の競技のパフォーマンスを本当に向上させているのか、チェックしてみてください。
つづく
LET'S TRY !
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