7月12日(日) 特別企画 バランス講習会 バランストレーナー小関勲×養護学校教諭藤田五郎 『カラダの全体感を呼び覚ます~不自由が自由になる時』(終了しました)

2015.06.15

今回は善通寺養護学校教諭の藤田五郎先生をスペシャルゲストとしてお招きし、
養護学校に通う子どもたちの実際の変化とその可能性についてお話頂きます。
もちろん実技型講習会やQ&Aの時間もございますので、
じっくり吸収して頂ければと思います。

 

◆主な内容
・取り組みのキッカケやポイント。
・藤田先生の養護学校での生徒たちへの取り組みとその変化について。(写真や動画にて)
・機能障害、脳性麻痺を抱えている子供たちへのアプローチ、具体例の紹介。
・全体性について~運動の前提条件を考える。
・ヒモトレやバランスボードの使用方法、具体例の紹介。
・ケガやパフォーマンスを高めるためには。
・Q&A

 

【1部】善通寺養護学校 藤田先生による取り組みとその変化について(進行・対談役:小関)
【2部】小関×藤田 実例や実践を交えた講習会

 

単に養護学校や体が不自由な人、高齢者(介護者)たちへのアプローチではなく、
スポーツトレーニグや運動業界全体に広く伝える内容かと考えております。
定員は限られますが、なるべく多くの方にご参加頂ければ幸いです。

 

●日時:2015年7月12日(日)

受付13:45/開演14:00~17:00(1部14:00~15:20/2部15:30~16:50)

●会場:東京YMCA東陽町ウェルネスセンター 視聴覚室

東京都江東区東陽2-2-20(東京メトロ東西線東陽町駅徒歩5分)

TEL. 03-3615-5566
※講習会の内容についてはマルミツにお問合せください。

●参加費:1部 6,000円(14:10~15:30)
2部 6,000円(15:30~17:00)
通し参加 10,000円

(※学割 通し6,000円/各4,000円 受付にて学生書をご提示ください)

主催:MARUMITSU、小関アスリートバランス研究所
協力:TCアカデミー

協賛:ONYONE

 

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◆善通寺養護学校 藤田五郎先生より

 

現在、善通寺養護学校で、子供達の心と体への支援を行なっている藤田です。日々、肢体不自由児のみならず、発達障害や精神疾患の子供達と関わっています。今回は、日々の授業に取り入れているヒモトレとバランスボードの活用の事例を報告させていただきます。子供達からは、日々新たな発見を得ることができています。バランスは、心と体をつなげる課題として、自分自身を見つめ直すものになっています。自分自身へのイメージが薄い子供達にとって、自分への気づきを生み出すことができています。今まで、がんばらせてバランス課題を取り組ませていたところがありました。

 

しかし、小関先生のヒモトレと出会って、がんばりすぎずに「いい塩梅」で合わせることの重要性を実感しました。ヒモやバランスボードを使うことで、子供達の見えにくかった小さな力(自らの自発的な力や可能性)に気づくことができました。ちょっとした支援で、子供達の能力を引き出し、引き伸ばすことがヒモトレにはできると感じています。

 

子供達も、自分の可能性を感じ、自分自身への自信を高めることができています。今回は、子供達の変化を写真や動画で見ていただきたいと思います。ちょっとした支援が、子供の能力を引き出しています。また、動きにくさの改善や人との関わりへの意欲の向上につながることをお伝えできればと思います。

 

体に麻痺があっても、体はつながっています。動きにくい側(患側)を動く側(健側)の動きが誘導してくれます。続けることで、動きにくい側が動き始めます。気持ちの面での変化もあります。

 

バランストレーニグには、まだまだその可能性が隠れているように感じています。いろいろな分野の方々とヒモトレの可能性を考えていけたらと思っています。様々な意見が、また次へのステップにつながるものと考えています。今回、見ていただく写真等で感じたことを教えていただければと思います。そのご意見を参考に、また子供達への新たな支援方法を考えていきたいです。どうぞ、よろしくお願いします。

 

ヒモトレ特設ページ→藤田先生インタビュー

 

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◆ラグビー元日本代表 平尾剛さんからコメントを頂いております。
以前大阪で開催された藤田先生とのコラボ講習会にもご参加頂きました。

 

初めて講習会に参加し、心のバランスボードに乗ったときはなにがなんだかわかりませんでした。あまりに手応えがないことに驚いて言葉が出なかったんです。実感が湧かない。心のバランスボード以外にも乗ってみましたが同じです。不安定な状態におかれ、平衡感覚が揺さぶられることへの刺激は感じましたが、これがどのようにして身体を整え、鍛えることになるのかが一切わからない。ただ、とても心地よかったことだけは憶えています。

 

どこか「なつかしさ」を感じました。現役時代のいつかに経験した体感が思い出されたのだと推測されますが、具体的にそれがいつなのかははっきりしません。ただ漠然となつかしい。その後しばらくして試したヒモトレも同じで、なぜだかよくわからないのですが、とにかくなつかしいのです。

 

今となればこのときのこの実感が、すべてを物語っていたのだと思います。ボードに乗っているとき、あるいはヒモを巻いているときは自らの身体に意識を向けて感覚を探ります。「こうかな、ああかな」と試してみる。快か不快か、自然か不自然かを探る。こんなふうにして「どんな感じなのか」を探るとき、言葉はいりません。むしろ邪魔になる。

 

思い起こせば幼児のときの僕たちは、例外なくこんなふうに自らの身体を使ってきました。ハイハイからつかまり立ちに至り、やがて歩き、そして走る。誰から教えられることもなく感覚を探りつつ僕たちは今まで成長してきた。とすれば僕たちは身体の使い方を、その成長のさせ方を既に知っている。ただ忘れているだけなのです。身体はこうすれば活性化するんだった。これを思い出させてくれるのがバランスボードやヒモトレです。

 

言葉を手放して乗ってみる、あるいは巻いてみる。言葉を介さず身体そのものでわかることの「なつかしさ」を、ぜひ味わってみてください。なにかが確実に変わります。

平尾剛/1975年大阪生まれ。同志社大学卒業。三菱自動車工業京都、神戸製鋼コベルコスティーラーズに所属し、第4回ラグビーW杯日本代表に選出。2007年に現役引退。現在は神戸親和女子大学発達教育学部で講師を務める。主な著書に『近くて遠いこの身体』『ぼくらの身体修行論』(共著)

 

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◆藤田先生とコラボ講習会を最初に企画して下さった
カメカメ企画代表 亀田女史よりコメントを頂いております。

 

藤田先生が見せて下さった映像には、自分でヒモを結ぶことができない状況の子供たちが、ヒモを結んでもらえれば驚くほど身体に変化がおこり、笑顔が自然にあふれていました。ヒモを結ぶだけで、一瞬にしてその人がもともと持っているちょうどよい状態に引き戻してくれる、バランスボードや一本のヒモから広がる可能性を信じていろんな人たちに伝えていかれた藤田先生のお話しも素晴らしくご参加されたみなさんも興味深そうに聞いておられました。

 

初めての試みには、理解が得られにくいのは世の常ですが、それでも臆することなく、気負うことなく、自分が楽しんでいるとじわじわと伝わっていく。伝え方広め方をあれこれ案ずるよりまずは自分が試み楽しむことだというとても大切な事をも気づかせて頂きました。

 

亀田治代/Honu-Tortuga(カメカメ企画)代表身。体使いのスペシャリストさんと参加されるみなさんとのご縁をつなぐ美味しい講習会をお届けしています。http://www.honu-tortuga.net/